首都圏の沿岸に広がる彩浜市(サイバシ)は、染人と常人がともに生きることを目的として作られた特別区域です。 湾岸の街並みと点在する島々を擁するこの街には、染人たちの彩昏やそれに根ざした産業が息づき、都心に劣らぬ賑わいを生み出しています。 差別のない暮らし、晶気症状に寄り添う行政サービス——彩浜市は、染人にとって本当の意味で「住める街」であろうとし続けています。
晶気の影響を受ける特異体質者。晶気の状況によって肉体や感情に変化をきたすほか、『彩昏(サイコン)』と呼ばれる異能を持つ者も存在します。 市外では異端として忌避されていましたが、晶気研究の進展とともに、その特性は個性として認知されつつあります。 それでも差別や偏見は根強く、腫れ物扱いされることも少なくありません。
晶気の影響、あるいは未知の原因によって生まれた人外の存在。染人以上に数は少ないものの、特区に満ちる強い晶気に引き寄せられ、一定数が集まってきているようです。 人間とは異なる身体的特徴を持つ場合もありますが、特区内では人間への擬態が義務付けられています。
現実世界と変わらない一般的な人間。晶気の影響をほとんど受けない代わりに、彩昏を持つことはありません。
この世界には、晶気(ショウキ)と呼ばれる未知の粒子が存在します。肉眼では捉えられませんが、特殊な光線によって観測が可能です。 その反射光の色から「緑」「赤」「青」「桃」の四種に分類され、それぞれ◯晶(例:緑晶)と呼ばれています。 特定の晶気が濃くなった気候は晶嵐(例:赤晶嵐)と呼ばれ、染人や魔晶に様々な影響を及ぼします。
染人・魔晶が持つ特殊能力です。腕力の強化のような現実的なものから、サイコキネシスのような超常的なものまで、その種類は多岐にわたります。
世界的に見て、染人は「魔晶により衝動的行動を行う」「彩昏という超常能力を持つ」という2点の理由から危険視されています。
科学技術が発達する以前は染人のもたらす恩恵の方が大きかったものの、技術の発展により染人に頼る必要もなくなり、危険性に着目されるようになった結果です。
染人への差別は表向き禁止されているものの、奇異の視線を向けられることは避けられず、染人であることを隠して生活する人も多いようです。
特区外の人々からすれば魔晶は噂話の住人ですが、特区においては希少ではあるものの確かに存在する隣人として扱われています。
とはいえ、人間社会に疎く力も強い傾向にある魔晶たちは、特区の人々にとっても驚異的な存在です。
特区は彼らが社会に馴染めるように、市民名簿への登録前に人間社会のレクチャーを行い、問題ないと認められない限りは市民登録を認めていません。 また、名簿に登録した以上は、魔晶といえども人間社会のルールに則って行動することを求められます。
染人には先天的なケースと後天的なケースが存在します。先天的な場合は遺伝的要因が強く、両親や先祖に染人がいることがほとんどです。 後天的に染人となる原因は未解明であり、現在も研究が続けられています。 いずれの場合も、二次成長期に行われる検査によって自身が染人であると知ることが多いようです。